長所を発見する

長所を発見すること
自分の長所、短所を深く掘り下げ、今一度考えてください。人の長所、短所については意見が別れます。「あなたの長所は何で、短所は何ですか」と問われると、答えるのに窮するでしょう。「長所、短所の判断基準を言ってくださればその基準に照らして区別しましょう」とやり返したくなります。しかし、採用面接などで二十代の若い人に対して人事担当者がこのような質問をすると、すぐに「ハイ!私の長所はだれとでもつき合えることです」と、まるで答えを用意してあったかのようにハキハキとした答が返ってきます。「では短所は何ですか」となおも尋ねると、「ハイ!人見知りをすることです」などといった返答もあり、何だかよくわからないようなことになってしまうケースがあります

採用面接、自己申告書、研修などでシートに自分の長所、短所を書き込む機会は多い。学校を出て、会社に就職するときはかならず面接があります。就職希望者は、どんな質問が出てくるか、どう答えればよいかというハウ、ツウものによって勉強をします。このやり方は学校で学ぶ情報記憶方式です。だから人事担当者が期待しているような答えを記憶しておき、その質問が出てくればQ&Aで答えます。しかし、それが本当に自分の長所であり、短所なのでしょうか。一般に長所として、「明るい」「だれとでもつき合える」「友達が多い」「何にでも興味が示せる」「やる気がある」などをあげます。また短所としては「暗い」「人見知りをする」「友達が少ない」「短気である」「優柔不断」「引っ込み思案」などです。それでも二十代は素直に長所短所一覧表の中から選び、採用面接に臨んでいます。三十代となるとこうしたことに疑問を持つでしょう。「長所は短所になり、短所は長所になります。だから長所短所などと分けること事態が無意味なことだ」とか、長所をまずあげて、短所はその反対を列挙する。その代表例は、長所は「時々明るくなること」短所は「時々暗くなること」などの表現が使われます。自分自身が本当にそうなのか、ということではなく一般に(世間が認める)長所というものはこのようなものであり、(世間の言う)短所とはこのようなものではないか、(自分はそうは思わないが)”書け”と言うのなら、常識的なところで、「これでどうだ」(出題者に対して反発半分、期待に応えること半分)の気持ちが現われるのです。すべての人たちがそのような反発はしないでしょう。しかし、一般論としての長所短所の基準や分類に対比して自分自身はどうなのか、自己への洞察や自分なりの考えが進むと、そこに矛盾や葛藤が起こります。その矛盾や葛藤の中から「本当のところ自分はどうなのか」というところへ進むと、世間の指摘する長所短所ではなく自分なりのものが生れると考えます。長所、短所で考えることは”他者認知””自己認知”です。他者認知とは他人の自分への指摘であり、自己認知とは自分で自分をそう思うことです。例えば、上司や回りの人から「あなたは人に親切ですね、それは大変よいことで、あなたの長所よ」と感謝されます。何をしたから親切なのかわからなくても、人がそう言えば、「そうなんかなあ」と思います。このことが度重なると自分は親切で、これが自分の長所だと思うでしょう。その結果面接では「はい、人に親切なことです」と自信を持って言うことができます。なぜなら”他者認知”という立派な裏付けがあります。

もう一つ、電車で席をお年寄りに譲りました。自分が自発的に行なったことで自分の気持ちに正直であれば「自分は人に親切だ」と思うでしょう。度々よい行ないをすれば「人には親切」という自分を再認識します。このときも面接者の前で「はい、私は人に親切です」とはっきりと自分の長所を言えます。”事実”という裏付けがあります。自分の長所、短所が他人の一時の感情や判断の基準で決められたのではたまらないと思う人もあるでしょう。その通りです。だが、幼少の頃から成人して、ずっと意識する、しないに関わらず現実に他人の評価や指摘があり、それを鵜呑みしていることも事実です。長所をいっぱいもっている人はその人の回りに長所を発見し、気づかせてくれた人が陰ながら存在していたからとも言えます。短所にくよくよして悩んでいるとしたら、たまたま過去にそのような指摘の仕方しか知らない人に出会った不幸なのか、それを鵜呑みにしているだけかにすぎないこともあります。われわれは自分の長所短所を「自分で形成してきた」と思っていますが、多くは回りの人たちが打ち鳴らす太鼓に踊らされているに過ぎないとも言えます。社会に出て、しっかりと生きてゆくためには他人が指摘した自分への長所、そして短所を自分で納得のいくように検証することです。長所は短所に短所は長所になどといって堂々巡りをしておらず、自分の長所自分の短所を自分なりに考えることです。長所の何が、どうすれば短所になるか、という答えを自分で出すことです。そうしなければ言っていることとやっていることとが遊離してしまいます。


生きる知恵と仕事の技術を高める着眼点
  逆境を生きる
決断する
長所を発見する
自信をつける
恐れを克服する
自分を発見する
選択する
自主性を育てる
人を見抜く
ジレンマを解決する
失敗から学ぶ
衝動を抑える
やる気にさせる
部下を動かす
部下との対話
アドバイスのしかた
逆説を使う
対立、争いを解決する
質問する技術
本心を読み取る
かけひきする
交渉する
頭を下げる
譲歩する
対人関係
価値観
退職理由を聞き出す
真似をする
変革させる
計画する
会議の技術
会議を壊す方法
改革を進める
落とし穴にはまらない
具体化させる
明確にさせる
人事考課
業績を上げる
同じ釜のメシを食う
サービス業の知恵
仕事と遊びを区別する
締切を設ける
志を長持ちさせる
自分を変える
融合する
器量を育てる
地に足をつけて立つ
出向する
独立する
人生を設計する