選択すること

ほんとうに自分が求めているものを知って、手に入れること
朝、目を覚まし、夜床につくまで、おそらく私たちは幾十幾百もの選択をします。十年二十年の月日には数え切れない選択をします。もっとよい結果が得られるのに選択の余地ないものとして見過ごしているものを含めれば膨大な数の選択肢があるでしょう。山へ行くかそれとも海に行くか、自動車にするか電車にするか、Aを買うかそれともBにするか、といったものから受験する大学、就職、退職といった人生の別れ道の選択までさまざまです。選択のための法則というものがあってその方程式にあてはめて選択することができればこれほど都合のよいものはありません。損得計算で選択するということに限定すれば、コンピューターが即座に判断してくれます。どちらの機械を(あるいは人を)採用したらよいかという選択肢に対して、損得という方程式を提示して計算は機械に代行させればよいのです。ところが人生の大半をこの会社で過ごすのか、それともB会社に移って人生をもう一度やり直すのか、ということになるとコンピューターはお手上げです。それでも自分の人生を稼げる金銭の大小で決めるならばどちらを選択するかは明白です。選択行動のもっともシンプルな形は買い物行動に見ることができます。電気製品(例えば掃除機)のAメーカーのものを買うかBメーカーのものにするかは安いことが第一と安価であることに関心が集中している人は、安い方を選択します。これで何事もなければ「安さ」という選択方程式ができ上がります。しかし、使ってみれば、よく故障をするし使い勝手が悪い、聞いてみれば掃除機はAメーカーのものでなければならないという、値段の安さよりメーカーの品質が第一だと教えられた。いわれた通りにすると確かに故障はしない、使いよい。この人はこれまでの考えを捨てて、少々高くてもAメーカーの電気製品を選択するようになります。選択基準が変わったのです。彼はAメーカーの製品に裏切られるか、もっと彼の興味関心を満たしてくれるものが現われるまでAメーカーに傾注することになります。人は一般に興味関心、注意を集中する点、対象があります。それとは別に環境や状況、背景があります。人が注意を集中していることが何であるかをはっきりと認識しておればある状況におかれたときにその注意を処理するのに効果的な選択をすることができます。筆者はある小規模の会社で全社員が集まった機会に次のような質問に答えてもらうことにしました。「これから私が提示する五つのことにあなたがたがもっとも関心が集まるものを1、それから2と関心が集中するものを順番に選んでほしいのです」。といって五つの項目をあげて順位を選択してもらいました。この仕事を通して社会の役に立つこと給料をたくさん得ること会社が大きくなること仲間と楽しく仕事すること仕事が自分にあっていること工場長を始め多くの社員は「給料」に関心が集まりました。専務は「会社が大きくなること」が一番で給料のことはそれから後だと主張しました。働く若い人たちに共通して興味関心が集中するのは「仲間と楽しくやりたい」ことです。会社という環境、職場という状況の中で自分たちの望んでいることが得られるような事態には敏感に反応し積極的な行動を起こします。しかし、妨害に会うと混乱し、やむなく強制された方向に向きを変えますが、それは本心ではありませんから、自己を制限し、やる気を失います。この研修は専務の要望で開催されたものです。専務の考え、望んでいることと今、ここでのでの研修とは明らかに結びついています。しかし、他の工場長や社員にとって、「仲間と楽しくすること」が関心事ですから研修会は歓迎したものではありません。よい選択をするのは自分を大切にした選択であると考えます。しかし、われわれはいつも自分の興味関心、今何に集中しているのかをはっきりと意識して、ことにあたっているわけではありません。先に上げだ五つの興味関心も研修だからやったまで、日頃は社員としてどうすればよいか、工場長としてどのように選択すれば役職を果たせるかが頭の中の中心的な課題です。「一円でも多くの給料を得たい、そのために工場長をやっている」などとは口にするべきことではありません。しかし、その考えは一面では自分を殺した選択とは言えなくもないのです。(本人は決してそうは考えないでしょうが)

選択の知恵というものは外にあるのではなく内にあります。どのような選択をしょうがその責任は本人にあります。だとすれば自分を大事にした選択をすべきではないでしょうか。会社のために、上司にとってよいように、関係者にとってよいように、自分を犠牲にするような選択をします。なぜでしょう。悔いのない選択をしょうと思えば自分の内なる声をよく聞いて、自分の本当に望んでいる方向へと選択することを考えるべきではないでしょうか。


生きる知恵と仕事の技術を高める着眼点
  逆境を生きる
決断する
長所を発見する
自信をつける
恐れを克服する
自分を発見する
選択する
自主性を育てる
人を見抜く
ジレンマを解決する
失敗から学ぶ
衝動を抑える
やる気にさせる
部下を動かす
部下との対話
アドバイスのしかた
逆説を使う
対立、争いを解決する
質問する技術
本心を読み取る
かけひきする
交渉する
頭を下げる
譲歩する
対人関係
価値観
退職理由を聞き出す
真似をする
変革させる
計画する
会議の技術
会議を壊す方法
改革を進める
落とし穴にはまらない
具体化させる
明確にさせる
人事考課
業績を上げる
同じ釜のメシを食う
サービス業の知恵
仕事と遊びを区別する
締切を設ける
志を長持ちさせる
自分を変える
融合する
器量を育てる
地に足をつけて立つ
出向する
独立する
人生を設計する