社内講師として、研修を進める、もっとも困難なことは、受講生に「研修を受けて、学習しようという積極的な態度がない」ときです。やる気のない人たちと共に研修を進めるときは心労の重なることとなります。もちろん、研修の効果を期待することはできません。受講生に前向きな態度が見られないときは、受講生は次のようなことを態度で示します。 仕事が忙しい時期に何も研修をする必要はない。 仕事が遅れるので困る。 研修の受講も仕事のうち 研修の内容が合わない その他、色々な理由に事欠かず挙げてくるでしよう。
「研修教材」はこのような消極的で学習意欲を失っている人たちにも対応できるようには作られておりません。
研修教材は、研修に前向きで、 学習意欲のある人を対象にして研修を実施することを前提にして作られています。
したがって、社内講師として研修を始められたときに、「こいつはいかんなぁ、全員しらけている」ときは、 「研修教材に問題があるのではなく、受講生の態度に問題があり、これを何とかしなければ、その後の研修が進まない」こととなります。 研修講師に任じ、その役割を引き受けるということは、研修講師の研修内容が充実していなければなりませんが、 受講生の見せるさまざまな態度にいかに対応できるかが「研修講師の重要な能力の一つ」でございます。 新入社員研修では「彼らはやる気に満ちていますから、うまく進行する」でしよう。 しかし、入社後1年も経てば、研修への態度は「がらりと変ります」、 特に中堅社員や管理者と言われる階層を対象に研修を実施されるときは「もって行きかたに一工夫も二工夫も必要」と申し上げたいのです。
ここからが本題です。 人材の育成、教育研修の必要性を述べた書籍は多いのですが、ではどのように実施するのか、どんなやり方をするのか、すぐにも実施したいがどのように行えばよいのか、という要望に応えるものはなかなか見当たりません。この「教材の作り方」は新入社員、中堅社員、管理者と幅広い層に使っていただける教材を例示してあります。教材には個人研究、グループ討議、小講義、ロールプレイングなどの研修技法を取り入れ、だれでもが実施できるように工夫してあります。
研修課題ごとに、
@.何のために研修を行うのか、その目的
A.教材の作り方
B.教材を使った研修の進め方
C.サンプル教材を例示してありますら、すぐに研修ができます。
2.講義で教える部分を極力控えてあります。 これまでの教育研修のやり方は講師の講義によって「教えを受ける」という学習方法が多かっただけに、 人の態度や行動、考え方や価値観に立ち入った、突っ込んだ研修は社内ではなかなか実施できませんでした。 講義で教えることに加え、社員が積極的に研修に参加でき、自主的な問題解決ができるように教材を示してあります。
3. 「知っていること」と「できること」との違い
先輩社員が新人や後輩に「仕事を教える」ことは重要な役割の一つです。多くの先輩社員は、どのようにして仕事を教えればよいか、という知識は知っています。今更改めて「仕事の教え方」を学ぼうとする意欲は沸かないでしょう。ですが、「知っていること」と「できる」こととは違います。「知っているから、できる」というものでもありません。本書では「知っている」ことを確認して、次に「できる、できない」を明らかにし、できないことはこれをできるように練習する研修に結びつけてあります。教材はまず知識をついで行動を学習するように作られてあります。
4.個人の考え方や価値観の違いを考えます。
 働く目的が多様化し、変化しています。このことが世代間のギャップを生みだす大きな要因になっています。世代間にギャップがありますと、同じ方向を向いて協力して仕事をしようとするときにいろいろな問題が生じます。経営の幹部は会社の業績を上げようと、ときに応じて時間外の勤務を期待します。若い世代の大多数の人達は時間から時間まで働いて給料を得ることが目的で、時間外の勤務やサービス残業をしてまでも会社の業績を上げることにあまり関心を示しません。こうした世代の『価値観』や『考え方』にギャップがあり、現実に会社の仕事、組織活動にマイナスに作用してくるとなるとほっておくわけにはいきません。これからの人材教育を考えるときに、この問題を避けて通ることはできません。また、その教育方法で「価値観」や「考え方」を教えるようなやり方をしますと、一部の人たちは「押しつれられている」と感じて、教育の効果が上がりません。働く目的、興味関心の違いが実際にどこにどのように現われているのか、受講生自身の目的を明らかにした後、他の人達とどのように違うのか、どこで違ったのか、どうすれば違う人達とも理解し合えるのか、などといった「選択の道」を提示することになります。「教える」ことから「新たな選択をさせる」というやり方を模索しなければなりません。
本書では「一方的な正しい道」を示す前に受講者が新たな選択を考えるような教材づくりに重点をおいてあります。
5.やればできるのにやろうとしない人たちの教育
 本書では、「教えればできる」だけでなく、「教えてもやろうとしない」人達にも学んでいただけるようにしてあります。例えば、「ほめる」という動作があります。「ほめる」ことは部下のやる気を引き出し、仕事に自信をもたせる重要な上司の動作として一般に認められていることです。また、どのように「ほめればよいか」という知識もあります。ところが「ほめる」ことをしない人たちはいます。教えても、ほめることをしない人たちです。この人たちに学んでいただくことは「ほめることをしない理由」です。「なぜ、ほめないのか」という疑問と共に、ほめることよりもっと効果的な別の方法があるかもしれません。「教えてもやろうとしない人たち」には、何があって、やろうとしないのか、その「わけ」を学んでいただくように工夫してあります。
6.個人の成長、やりがいを重視しています。
個人の成長、個人のやりがいを重視し、より一層の能力が発揮されるには自由で創造的な風土のなかで可能です。本書では幅広い層(新人、中堅、管理者)の人達を対象に、どのようにして能力を発揮するか、何をやりたいのか、を極力明らかにするように援助し、続いて自らの目標を設定して実践するように教材づくりを考えてあります。
7.最善の方法を考えさせる。
 本書は、個人の価値観や考え方を尊重しつつ、最善の方法をどう考えればよいかについて学習していただけるように工夫してあります。その方法とは、ある問題について、各人の考えや価値観、いいたいことをいってもらい、グループの人達と十分な討議をして「どうすれば最善なのか」を選択するように構成してあります。各人の自主性を尊重し、相手の意見を聞いて、自分で決める、というステップを踏んでいます。
8.教育研修の強制と自主
  これからの人材育成は強制と自主の両立が要求されます。一方では「どうあるべきか」を学び、一方では「どうしたいのか」を学ぶのです。受講生が何を考えているか、どう思っているのか、を明らかにしつつ、どうすればよいのか、を求めなければなりません。随分と葛藤やジレンマのあるところですが、その問題があるから成長もあります。本書の構成は、研修課題に対して、まず、個人のこれまでの経験や学習から身についた「考え方」を明らかにしてもらい、ついでグループの人たちとおたがいの考えについて話し合って最善の方法を模索してもらいます。ついで、どうあるべきか、を教えて、職場で実践する個人の課題をまとめるように仕組んであります。
研修すべき課題ごとに「目的」「進め方」「サンプル教材」を明示してあります。

研修課題
研修の進め方
1.研修を計画する
2.研修案内文の作り方
3.研修日誌の作り方
4.研修レポート作り方
5.研修の進め方
6.教材の作り方と活かし方
7.話して教える講義のしかた
8.グループ討議の進め方
9.ロールプレィングの進め方
10. 開講のときに使う教材
11. 積極的な学習意欲を 
  引き出す教材
12. 研修の成果をあげる教材
新入社員研修テーマ別
進め方/研修シート

1.学生と企業人
2.会社の目的を正しく理解する
3.会社の概要を知る
4.会社の制度・規則を理解する
5.仕事のしくみを理解させる
6.感じのよい話し方・聞き方
7.正しいことばづかい
8.応対対応接の基本
9.名刺の扱い方
10. 来客の応対(受付)
11. 電話の基本動作を理解する
12. 正しい電話応対ができる
13. 状況に応じた電話の応対
14. 仕事の指示を受ける基本動作
15. 仕事の指示の受け方(練習)
16. 仕事の報告をする(練習)
17. 漢字の正しい使い方
18. 「レポート」の書き方
19. 「ビジネス文書の」の書き方
中堅社員研修テーマ別
進め方/研修シート

1.これまでの仕事をふりかえり
  これからの仕事を考える
2.対人関係の問題を考える
3.対人問題のよりよい方向を考える
4.対人関係の好き嫌いを考える
5.自分の「自画像」を考える
6.PDCAを回す仕事の進め方
7.中堅社員の役割と立場
8.積極的な仕事への取組み
9.意志の疎通をよくする
10.自発的に行動する
11.プラスの人間関係を築く
12.新しい仕事を創り出す
13.社内で自分の立場役割を築く
14.謙虚な姿勢で学ぶ
15.将来に向かっての目標を持つ

管理者研修テーマ別進め方/研修シート

1.管理者の役割と立場
2.管理者の責任と権限
3.仕事の目標を示す
4.仕事の方針を示す
5.意気消沈の部下を励ます
6.指示を待つ部下を動かす
7.チームで仕事をさせる
8.仕事の出来栄えを評価する
9.上手な仕事の割り当て
10.仕事の教え方
11.上手に説明する
12.仕事の指示のしかた
13.報告のさせ方
14.上手にほめる
15.上手にしかる

(サンプルプログラム)
新入社員研修プログラム
フォローアップ研修プログラム
指導者研修プログラム
中堅社員研修プログラム
管理者研修プログラム